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最初に
弊社でお買い上げの皆様は、上級者、プロ級の方がとても多いので下記のような事を 記載するのは、とても烏滸がまし いのですが、これから寒蘭栽培をはじめる方に少 しでもお役に立てれば、また寒蘭の普及にお役に立てればと思い記載させて頂きま す。
Contents
1.寒蘭(カンラン)とは
2.寒蘭の栽培について
3.寒蘭の自生地
4.寒蘭の植え替え
5.寒蘭の植え替え手順
6.寒蘭の鉢について
寒蘭とは
寒い冬に開花することから、寒蘭の名の由来であり、学名もそのまま用いられている。 学術名はCymbidium kanran。 蘭科の多年草で日本の暖地に野生する。古くから東洋蘭として珍重され、栽培される。葉は深緑色で艶があり、線形葉で根生し、 葉姿も品位があり、花とのバランスも申し分なく、厚みのある葉は美しい曲線を描いている。 晩秋に花茎を立てて上方に芳香のある淡黄緑・帯紅紫色などの花を数個つける。花被片は線形。 細弁の上品な花で、芳香もあり、細い花茎にまばらに品よく花をつける、きわめて完成された蘭である。 各地の産地で数多くの品種が見出され、斑入り株は柄物として珍重される。 草姿だけでも立派に観賞価値があり、かつては露受け葉を最高とする葉姿を楽しむランであった。 花の観賞が主流となったのは、近年になってからのことである。
寒蘭の栽培について
どんな植物でも共通の事ですが、自生地に出来るだけ近づける環境をご自宅(または 栽培地)で整えるか だと思います。 『どのように栽培すれば一番良いか?』 と、よく質問を受けるのですが、栽培環境 に関しては、栽培する場所(北緯)、 日当たり、風通し、水やりの回数など個人差が ありますので、 何が一番良いかは、皆さんの栽培環境の中で、一番良いと思う方法を、ご自 分で判断 し、また改良して、寒蘭にとって一番良い環境を作って下さい。太陽光などを遮光する、遮光ネットは木漏れ日を再現した市松模様の遮光ネットは販売しております。また、遮光+遮熱はする が明るい遮光ネットクールホワイトも人気です。
寒蘭の自生地
水はけの良い斜面に木々の木漏れ日がチラチラと当たっており、湿気を含んだ柔らかい風が通る場所です。 暖流の影響を受け、夏涼しく、冬暖かい山の南斜面に自生する場合が多いです。
寒蘭の植え替え
植え替えは2年に1回位が理想です。株の状態、用土の状態、気象条件などによってバラバラですので、あまり本などの参考書に頼らずに、よ く寒蘭を観察して、最適な時期、植え替え頻度をご自分で判断するのが一番です。一番の適期は寒蘭の成長時期です。 成長時期に植え替えることで植え替えの回復が早くなります。目安は3月から4月と9月下旬から10月の中旬まで(花芽の無い物)が安全でしょう。真夏、真冬は避けたほうが無難です。
寒蘭植え替えの手順
1.まず植え替えする寒蘭を鉢より抜き、古い用土を取り除きます。この作業時にゴムハンマーを使い、鉢の縁を軽く叩くと簡単に鉢から抜けます。
2.次に鉢から抜いた株は傷んだ根や枯れた葉を取り除き、新芽の出るスペースを開けて植え付けます。バルブ(根元のふくらんだ部分)が 半分くらい隠れる深さに植えます。
3.株や根を切る時にウイルス予防として鋏をリン酸三ナトリウムで消 毒するとウイルスの感染防止に大いに役立ちます。
4.傷んだ根ならともかく、新しいきれいな根まで切るのは、蘭は伸びている根の先端の半透明の部分が70~75%も水や肥料等の栄養成分 を吸収すると言われます。すでに根になっている部分はわずか20~25%しか吸収しません。新根をおろす数が減って、栄養の吸収効率が悪 くなります。根をさばいて新根をたくさん出させたほうが生育になるのです。
5.寒蘭は株分けで殖やすことが出来ます。 植え替えをする際に株分けを行います。バルブが一株に3個以上つくようにハサミで切り分けます。あまり細かく分けすぎると花が咲か なくなります。株が大きいほど花が沢山つきますのであまり株分けをしすぎない方がいいです。
6.植え替え用土は、焼赤玉土、日光砂(もしくは硬質鹿沼土)、薩摩土、日向軽石をブレンドして作ります。ブレンド方法は色々な考え方 、やり方、栽培環境、気象条件等を考慮して配合してください。ブレンド済の東洋蘭専用土(クレイベスト、ベスト蘭、スーパーらん)も販売しています。
7.用土は下から大粒、中粒、小粒と入れるのが基本ですが、最近の植え方として、小粒のみで植える愛好家も多いです。 8.肥料に関しては多肥は厳禁ですので、用土にマグアンプを混ぜ込むか、あまり強くない肥料、東商おまかせ、もしくは松永蘭 園さんの特性肥料がお勧めです。
寒蘭の鉢について
弊社では 京楽焼鉢横山作(春蘭と兼用)、 京楽焼鉢澤作(春蘭と兼用)、 信楽焼鉢、 プラ鉢などを販売しております。 京楽焼鉢は先人達の知恵にで作られたこの鉢は、実に行き届いた配慮がされていま す。江戸時代、享 保の頃、尾張で初めて縁付の鉢が作られた記録があります。 この鉢は、潅水によって多すぎた水が、鍔によって受け止められ、ほどよく潅 水 出来ます。またもち運びにも、鉢掛けに掛けるのも理にかなっています。 使用している土の粒子が荒いので、ある程度の保水力があり、 加わえてロクロによっ て生地を作るので土の密度が均一となって寒蘭の生育にはとても良いです。もう少し深い楽焼があれば最高なんですがね。